A LOST AND FOUND

色々なものを失くしてきたような気がします。

絶対正義に巣食う人々

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2010年に改正された利息制限法、貸し金業法、出資法によって、「上限金利」が厳密に定められた。

いわゆるグレーゾーン金利と呼ばれる20%を超える金利について、いわゆる「国民の声」を圧倒的な御旗として国会を動かして実現した。

出現した「過払い金請求」に基づく払いすぎた金利の取り戻しは、サラ金会社の再編を一気に推し進め、形を変えながら、大手メガバンクに吸収されていった。

リテールのノウハウをそれこそ簡単に手に入れることが出来るといった話もあったが、そもそもサラ金が原資にしていた資金は、メガバンクの形をかえた貸し金にあったわけで(もちろん、生保、損保が槍玉にあがったが)、単純に資金の回収を合理的におこなったとみたほうが良いのかもしれない。

連日にわたる報道、特集は、社会のリセッションが長期化する中で、いきなり出現したかのような過熱ぶりを見せた。

自殺、駆け込みなど、そもそもの原因はそこじゃないだろうと思うことも多々あったが、信じられない高金利に「身を滅ぼす」無過失な善良な市民という流れで、絶対悪を過酷な取立てという演出で際立たせ、お約束なコメントがちりばめられていった。

時として政権は、よほどの覚悟が無いと、突然沸き起こった「絶対正義」の御旗に翻弄され、規制緩和に逆行するかのような、小手先の規制、管理に走り出す。

そもそもこの日本という国は、一度の失敗をほぼほぼ許さない。

最近BSで、Dlifeの視聴を毎日楽しみしているのだが、CSIシリーズに登場する「技官」、様々な人種や個人の過去の犯罪歴、肉親の強烈な犯罪履歴など、日本では到底考えられない採用が普通にされている。

こういうことが日本では、非常におこりにくい。

このことを語る内容ではないので進めるが、この国の報道なりコメントが、「民意」に寄り添う姿をとりながら、実は、何にも大きな仕組みには触れることが無い。

場当たり的に切り取った映像なり意見に「付加的」な、もっともらしいコメントを言ってしまうことで、結果的に、絶対正義と絶対悪の構図を補完してきている。

本来であれば、金融的に失敗した人間に対して、ブラックリストという単語を効果的に恐怖の対象として扱うのではなく、5年たてば「復権」できるという内容を、なぜしっかりと説明できなかったのか。

また、この経歴が、金融機関において、多分、今においても、失敗者に対して、長く、復権の道を閉ざす「材料」として、「棄損をかけた迷惑者」として「許されざる禁忌者」として長く「出禁」状態として2度と敷居をまたがせないという風潮を、よっぽど語るべき内容のはず。

また、貸し手を追い詰めるのであれば、「破産」というイメージを、これまた恐怖、恥辱の対象としてではなく、なんら普通の経済活動の一環としての作業として語ることができていれば、

貸した側が、与信を考えずに「金を与えた」のだから、貸した側が一方的に「馬鹿」だったと、よくある事象として処理できたはずで、結果、その会社が倒産しようが、その会社に貸し付けた生保や銀行が損害を受けようが、

それぞれのデューデリが甘かったわけで、ステークホルダーから責められるべき案件で、どれもこれも普通にある経済活動の現象に過ぎなかったわけで、

規制緩和をあれだけ声高に上げる割には、(アメリカでは結果的に100%を超えてしまう特殊なローンや、韓国では未だに50%弱)管理をすすめることが当たり前の報道に、正直、叩くところを論理的に間違えているんじゃないかと思っていた。

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東京では、最近先が見え始めた「タワーマンション」などの不動産投資。

ベイエリアなどの高級マンションなどは、中国人らの「爆買い」も言われる中で、この過払い金請求を取り扱う法務業界は、大賑わいを呈していた。

このリンクによると20兆円もの「違法金利」による残高が、あの10年にわたって「蓄財」されているそうで、

取り戻そうとした場合、法務関係者に相談する話になる。

手数料は、取り戻した額の20%。

20兆円の全てが対象になるわけではないので、ざっくりとした数字ではあるが、仮に半分がそうなった場合、2兆円規模の市場がそこに登場したというわけである。

豊洲の高級マンションの買主のメインが、一時、司法書士で占められていたのもうなずける。データーが無いので非常に質の悪い話で申し訳ないのだが、、、、。私の友人とはいえない法務関係者が、次々と営業所を開設しては、そんな話を語ってくれる。

news.yahoo.co.jp

この記事によって、中には、政治家と企業の結託などと先読みされる方々がおりますが、そういうところから語れば、また、同じ押し出された先には、そのパイをおいしく頂く次の勢力が待ち構えている、の繰り返しになりますよ。