A LOST AND FOUND

色々なものを失くしてきたような気がします。

相当にクールで、相当にバッドな健康保険医療制度

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生命保険に入ることになった。

止む負えない理由があったので、いたしかたなく入ることになったのだが、基本的には入るつもりはなかった。

入るのであれば、県民共済とか都民共済レベルで十分と考えていたので、未だに対面方式で「営業」を大事にしているソニー生命でお世話になるとは考えもしなかった。

その昔、世の中が、利回り6%とか7%で回っていた際に加入していた貯蓄型の保険は、不況の中で、「逆ザヤ」商品として運用できず、下げます!として大きな社会問題を起こした記憶があるが、

その頃は、そんなにお金に困っていなかったので、ソニー生命でまわしていた。

もちろん高利回りのその商品は、あえなく解約して、今は手元にない。

それから、随分の年月が経過する中で、保険の通販が主流となり、死亡保険がついて、本人死後において、遺族の生活の足しにできるようにから、

いやいや、この高度医療制度がある中で、生存中の本人が「足しに」できる制度設計があったほうが良くね?

とまぁ、本人の指向性もあるのだが、掛け捨てタイプのラインナップがえらい充実しているように見える。

そもそも、国の規制もあって、オリジナリティーある保険などは認可がおりない事情もあって、いつのまにかほぼほぼの保険会社で、横並びの内容となっていくのはいたしかたないか。

結局、保険会社の「体力」がそのまま保険料に跳ね返ってくる。そういう過酷な状況が各保険会社に突き付けられている。そう考えていいのかしら?

驚きの健康保険

そもそも、なぜに生命保険に入らないでおこうと思ったかというと。ご存知の方にはあまりにも当たり前な話なので、あえてどや顔していうつもりはないのだが、

高額療養費制度が平成27年1月から変わります | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

月収26万円以下の生活者は、高額医療費にさらされたら、月にMAX5万7600円しか払わなくて良い。

前に、妻方の母がICUに担ぎ込まれ、それも数日治療を受け、一命を取り留めたことがあったが、いや、どんなに高額な費用がかかるのかと戦々恐々としていたところ、

確か、この高額療養費制度のおかげで、3万円弱の費用で済んだ。

もともと、本人の無自覚な生活のおかげで、糖尿病からくる、臓器不全症候群によるもので、もう、あなた、てんこ盛りの薬剤もらいながら、治す気まったくないだろうということだったので、本当に複雑な心境だったんだが、

多くのこういう方々が、この国の社会保障制度を破たんさせていくんだろうなと漠然と考えてしまった。

さらに同じ状態で、高額な医療費が数か月連続した場合。もちろん、同一の内容と、入院、外来なればまた別勘定になるのだが、

4か月目から、なんとほぼ半額の医療費になる。

病気やケガで会社を休んだとき | 健康保

険ガイド | 全国健康保険協会

さらに、重度の病気で、リハビリを通して長期に渡って仕事をすることができない。そういう場合において、この健康保険は大活躍してくれる。

なんと1年半もの間、支給されていた金額の3分の2を毎月支給してくれる。

簡単に言いすぎてる感があるのでリンクで確認されると良いのだが、25万円支給者が月に22日出勤とした場合、

25万円÷30日×2/3×出勤日数(これも調べてね、約22日で計算)

12万2千円くらい支給される。

そうなると生命保険で必要なものとは 

この医療費として、高額療養費に充当できる月10万円を確保すること。

食事代と差額ベッド代は実費だからね。

これで十分ではないか?

保険適用内の手術なりであっても、月10万円を確保できれば問題ない。

特に3大疾病に万が一かかった場合、予測されるリハビリは、先の「失業」のリスクもふまえ健康保険が、かなりの支えになる訳で、各保険会社はここに力を入れているようだが、

この病気に関しては、ほぼほぼ「死亡保険」とか「重度後遺症」など1000万円とかそういうラインナップを揃えてきているんだが、これが高い。いらない。

高度先端医療費!安いから1000万円のやつを入れました。

そんで、終身払い込みの掛け捨てで月5000円前後!

ソニー生命も持ってるんだね、こういうの。

TPPにおいて、アメリカが、この日本の尋常でない健康保険制度を目の敵にしていたのは、アメリカの営利団体である生命保険各社が、相当なロビー活動をしていた訳だと言われていたが、

そもそも、歯医者の虫歯治療ですら、平気で100万円請求がくるアメリカですから、それを担保するために支払う保険料、まじめに払うと収入の3分の1?月にして10万円の保険料が平気でかかるという国ですから、

いかに、この日本が、相当にクールな制度をもっているか、さらにいうと、そのおかげで、相当にバッドな状況になっているか、深く考えさせられる問題ではないかと思う。