A LOST AND FOUND

色々なものを失くしてきたような気がします。

お金を借りるということが負い目な感じのこの国では、奨学金のあれやこれやは、まともな議論になりにくい。

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奨学金に関して、本当のところ、こういう議論が百出しているものに何を語れるものではないが、

ちょっとこの記事はわかるんだけど、論点が違うんじゃないかと、

一般論として、このタイトルで「勝負」する内容なのかと。

 

簡単に言うと、親に騙されて、親が申し込んで、親が奨学金を使い込んで、子供にまわらず、あげく、子供が債務者となって、借金を支払う。こういう絵図になっている。

これをもって、奨学金残酷物語と称して、一般論として議論をしようとするのはちょっと無理がありやしないかと。

 

平成27年度奨学金の返還者に関する属性調査結果 - JASSO

日本学生支援機構が毎年このような調査報告書を発表している。

「延滞者」に関しての問題を、数値的に把握したうえで、問題を解決しようとする姿勢なんだが、

まずは、

平成27年度の末現在の状況として、返還を要するもの、つまり返済が始まっている人が 3,811,494人。

で、3カ月以上の延滞者が 164,635人。

電卓ではじくと4%。

はっきりいって、立派です。ものすごく立派です。この数字であれば、低金利でやっていけます。多分。ちゃんと払っている方が、96%もいるという現実。ほとんどの人が、しっかりと「義務」を果たしています。

で、この4%の「延滞者」ですが、踏み込んで聞いています。

奨学金の申込書類を「誰が書きましたか?」

「本人だけで作成した」が、無延滞者56%に対して、延滞者32%。

返還義務を知った時期。

「手続きの前」が無延滞者89%に対して、延滞者51%。

 

というのはですね、

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これを持ち出すことに大きな理由はないのですが、

以前、知っている会社で、アルバイトをしている学生が、そろいもそろって同じ大学で、奨学金を受けていて、さらにアルバイト収入で「家計を支えている」という話。

何にも考えていなければ、ちょっとした美談。

なんだけど、学校が、強力に奨学金を勧めていて、それがパッケージになっていてのビジネスモデルになってんじゃねーの?

と思ったからで、それが、この表にあるFランに、その学校が載っている。

4人とも全員が、となるとねぇ、まぁ、それもいいんだけどね。

どうもね、子供を山車にして、親とか家計の足しにつかわれているんじゃないのかというちょっとした疑問があってね、それを学校側の定員とかあるじゃないですか、それを満たすための利害と一致するんじゃないの?と思ってみたからなんですよ。

 

その昔、サラ金なんてもんが、グレーゾーンとか、今でも過払い金のなんたらかんたらで、司法書士とか、弁護士の「いい稼ぎ場」になっているのは知っているけど、

返せなくなりました。とかね、地獄を味わいましたとか、そういう世間なり、マスコミは取り上げ方をしたけれど、ほとんどは、ちゃんと返しているんだよね。

逆に貸す側を、思いっきり締め上げた感じの法律にして、かえって、消費者を締め上げた感じにしてしまったけど、

どうしてこういう書き方するかというと、

貸す方が悪いんだよね、

ということを社会的にも世間的にも、しっかりと打ち出すべきだよね。

 

だから、借りた方は、色んな事情があるわけで、その時は。その後いつのまにか返せない状況に落ちてしまう方もいる訳なんだけど、

どんなものでも、それはビジネスなんだから、一方的に借りる方を、例え情弱だったとか言わないで、弱者に祭り上げないで、シンプルに「貸した方が見抜けなかった」ということで、

その会社が純粋に「損」するようにしてしまえばいいわけなんで、どうして、そういう風にできないんだ、この国は。

だからアメリカなんぞ、いきなりこの国を持ち出してすいませんが、良いか悪いかは別にして、貸す方が理解していれば、その人間が何度でも復活できる。

日本では、もともと借りる方がそもそも「負い目」をもっている感じでしょ。貸す方が思いっきり「上から目線」。これ、おかしいよね?それこそ、金利払って相手を稼がしてやるというビジネスなんだから、「借りてやってんだぞ!」と言ってもいいくらいなんだが。

 

だから、奨学金問題も、なんか、色々な哲学的な議論ぽい話になっていて、もっと、シンプルな話ができなくなっている気がする。

その一方で、借りる方が結構、この国では守られていて、貸す方が、結構なリスクを負っていることも、実は理解されていない。のは、もう、この国では、まだまだお金に関して、ドライなイメージができていないからだと、そう思ってしまう。

返せない人が増えたら、貸した方が倒産するとか、そっちにいく話だと。それでよくない?