個人的な反省会と用心が、なんかうまくいって、被害が大きくなりませんでした。
いきなり「お前ぶつかっておいて何もねぇのかよ」
と細く、ひげを生やして、背は中くらいの男性が自分を見据えて吠えた。
狭い駅構内に併設されているコーヒーショップなんだが、カウンター前の通路はもちろん狭い。
注文の品を待つお客と、カップやソーサーやらをセルフで下げるお客が、常に交差する場でもあり、どちらも体をひねりながらよける意識、全開の場所。
そんなカウンター前で、朝のモーニングをテイクアウトで待つ男の客。その後ろを、足の悪い相方の荷物を運んで、席取りに行く自分。
うまいことに、その間、相方はトイレを先に済ますようで、その場にいなかった。
席を確保してから、カウンター列に並ぼうと足を向けたが、
先のモーニングの箱詰め2人前を待つ男が、ふらふらと妙に左右に動き回って邪魔くさく、変な奴じゃなと思いもしたが、気にせず、体をひねりながら進んだわけだが
ここで冒頭のお言葉だ。
割と血の気が多い自分なんだが、最近、特に駅で、こういう大声でからんでいる男性が目に付くので、
常に「自分がそういう境地に陥ったら、手を出さず、喋らず、やりすごそう」と心がけていたので、いやびっくり、慌てることなかった。
相手の目を見据えながら、無言でいたところ、相手のお連れさんが「あんたなにしてんの!」すいませんすいません!と慌てて間に入ってきた。
その瞬間、相手の男が、詰め寄って、自分のつま先を踏んできたのさ。
これが、全然痛くないんだけど、「おい、踏んでるよ」とだけ、一応言ってみたところ、またなんか大声でわめき始めたんだけど、
彼女さんが「やめてやめて、あなたもなんなのヤメてください」と、いや、この時点でやられているのは一方的にこちらなんですけどと、思ってはみたものの何も言わず、
多分、何度もそういう場面があるんだろな、今思ってみると、この二人。
大概、相手も怒鳴り返したり、あげく、つかみ合いになったりとか、そういうの何度もありそうなんだよね。彼女のトークが、あまりにもビックリして何々、どうしてこうなっちゃったの?みたいな感じなかったから、いきなり「やめてやめて」だったんで。
なんかの本で、読んでないけど、「バカは相手にしてはいけない」というのがあったよね。これ、本当に、そう思う。
いきなりそういう輩に絡まれるということ、人として多くない訳で、そんなときに、反撃なんか、絶対にできない。
その反撃っていうのは、
自分が意図的にそういう原因をつくったわけではない。
結果として、あなたに、あなたがそう思う迷惑をかけたのかもしれない。
ただし、それは、複合的な要因が、たまたま偶然的に作用したと思われる。
しかも、相当軽微な出来事で、私はあなたがそこまで大声で私に向かって責任をという事態は承服できない。
というのを、「効果的に」「周りにいる観衆」にもわかるように、そして、あくまでもこちらが被害者で、絡まれているんだということを
瞬間、言葉で、しかも大声で、いうことは、ひじょーーーーーーーに難しい。
「うるせえんだよ!」と、ひっくり返った声でも出してみれば、
もう、完全敗北で、さらなる自己嫌悪とともに、反省会ですらできないほどの落ち込みをしてしまうくらいの事態になってしまう。
もう、慣れてないのだ。こういうことは。しかも、完全に論理展開を無視した、こちらの暗黙の防御システムさえ、マッハで打つ破る「超理不尽」攻撃。
たちうちなんて、とてもできるはずなんかない。
だって、普通に育った常識人なんだもん。
ええ、過去に何度か、試みましたよ。山手線で押されに押されて、反対のドア、そのドア袋というところに収まっていた中年の男に触れた瞬間
「ばかやろ!押すんじゃね!やめてくれ!」と、いや、いきなりの攻撃。
もう、慣れていない自分が発した言葉がこれです。
「俺か?」を もう、大声で相手に向かって言っちゃったんですわ。
ね、もう、言葉での喧嘩というか、攻撃なんて、いつかは会心の一撃できるかもしんないよ?自分だって。でも、そのあとの自分反省会、何度検討しても
ああいうお方に勝てる戦略なんて、ほとんど、ありません。
かえって、被害を増大させるだけです。
素人には無理。
ですから、これが、相手が物理的な攻撃を仕掛けてきたら話は別ですけど、この程度だったら、こじらせない、早く終わらせる、しかし言葉を発せず謝らない。
いや、何にも言わずに黙っておこう、と。
もう、この一手で切り抜ける。そう思っておりましたら、その時がいきなり今日、訪れました。そういうことです。
最悪の経験を(個人的尺度で)しているので、全然、今日のは、引きずっておりません。晴れやかさんです。
常に用心しておくことは肝要でしたね。えへ。