民泊。多分雑な計算ですが、周辺業者さんのパイ。5億円分が吹っ飛びました。もったいない。
何度も最後にと言いながらですいませんな感じなんですが、民泊を幸か不幸か実務レベルでやっているもんで、こういう経験を書き出すことを許してください。だって、あまりにもわやくちゃなんで(笑)。
6月15日に施行された「新法」なんですが、いわゆる「仲介業者」ときていされている「予約サイト」ですね、巷では「エアビー潰し」といわれてはいますが、
観光庁のお達しに従いまして、「事業者番号」を取得していない「部屋」の表示をまずは、非表示に。
そんでこれは凄い話なんですが、すでに「支払いも済ませている予約」の強制キャンセルをいたしました。
ほとんどの方が、エアビーのシステムというか、いわゆる民泊のことを存じていないと思うんですが、予約の強制キャンセル。これをエアビーが行った。その数、3万軒。
普通、どうやってキャンセルできんのかって、思う所なんですが、そこは、ほとんどが
「不正はいけない」からに集約されて、ざまぁ「闇民泊」がほとんどでした。
枚数をかければ、思いっきりかけることができる話なんですが、なぜ、ここまで民泊が増殖することができたか、誰でも参入することができたのかって、話になるんですが、
ここ大事なんですが、予約の段取りから、お金の受け渡し。お客と家主の信用問題などを、参加する人間が、まったく手を煩わすことなく、できてしまう。
ここに尽きます。
一番大事なのは、お客と家主(ホスト)が、相互に「評価」しあうことによって、相互に信用力をあげていくというストーリー性を築き上げてきた、特異な予約サイトということになります。
さらに、お金のやり取りを綺麗に消し去って、カード決済にて事前に済ませ、お客様は、まさに予約したその日に。ホストには、宿泊がされた、ほぼ初日にそのお金が「ペイパル」ですが、振り込まれます。
もし、その間に、問題があって、初期の目的が達せられない場合、つまるところキャンセルとか、話が違うとか、諸々、全て、エアビーが完全対応いたします。客とホストが面倒な話し合いなんてしません。
ホストが悪ければ、即座にペナルティーです。当たり前ですが、改善もされなければ、強制的に退場させられます。お客側も同じです。評価システムは同時に、表に出ない密告システムとしても、強力なツールになっております。
はい、エアビーさんが、全てを完全にコントロールできているのです。
ですから、宿泊前であれば、予約を解除することも、客、ホスト面通しすることなく、あとくされさせることなく、別の宿泊施設に移れるよう、実にイージーにすることができたのです。
これが、チェーン店とか、他のホテル予約サイトであれば、もう、「修羅場」確定ですね。
で、最後に一つですが、
この「民泊」は、もう、一つのスタイルを築き上げてしまいました。
はい、民泊スタイルなんですが、
今まで、ホテルとか旅館とか、予約をするときに、そのホテルに宿泊する。そういうことで、あとはダブルがツインかとか、そういう選択をする程度で、当時まで、「どんな部屋」なのか不明なことが多いです。
が、民泊の場合、逆です。写真通りの部屋を目がけて宿泊をしに参ります。
ですから、サイトコントローラーと呼ばれるものが、色んな宿泊所にあるんですが、まぁ、お部屋の在庫を管理して、色んな予約サイトに販売をして、宿泊者のチェックインとかチェックアウト、支払いを管理するシステムなんですが、
在庫なんて発想が、そもそもありません。オンリーワンの販売なのです。
これが、最盛期、6万軒とも、8万軒とも言われました。
はい、各部屋がそれぞれに、値段を下げたり上げたり、綺麗にしたり、そこそこにしたり、頑張る中で、エアビーはそれこそ、うーーん、場所を提供しているだけという、かなり恵まれた立場におりました。
本当に、どえらいシステムを作り上げたんだなぁ、感心いたします。
で、この民泊。すでに色んな周辺業務が発生しておりまして、
特に清掃。1予約に対して、ほとんど、「外注」にしているところが多いです。
今回の3万件。1予約あたり、3000円から5000円。ほぼ、人件費です。中とって4000円としてみましょう。
1億2千万円です。
これが、吹っ飛びました。20万円の収入を1名とするなら、6月15日からの1週間に入っていた、約3万件の予約で、600人分の月収が吹っ飛んだわけです。
さらに続いて毎週取り消しをしていくわけですから、毎週数百人分の人件費が吹っ飛びます。多分、1カ月で、雑ですが、2000人分が「別の仕事」を探さなくてはなりません。
さらに、1予約当たり、シーツ、布団カバー、枕カバー、タオルなど、だいたい3セット。最後に使用済みはコインランドリーでも可ですが、これ、洗濯いたしますが、「クリーニング」が、結構頑張っていました。
安くて3セット1500円? 3万件のうち、半分。1万5千件にしておきましょう。
2250万円。これが吹っ飛びました。
人件費、約4億円。 クリーニング まぁ7000万円
もろもろで、ある意味、中小レベルの方々、約5億円分のパイが消失いたしました。
別に助成金でも、税金でもなくて、海外の旅行客が落としてくれるお金が原資です。
もったいないな。本当に、もったいないな。なんでうまくやれないんだろう。
雑な意見ですが、そう思いました。