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A LOST AND FOUND

色々なものを失くしてきたような気がします。

助成金。人材育成コースをやってみた。

社会に関して

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www.mhlw.go.jp

人事、総務を担当していれば、一度は聞いたことがあるはず。

キャリアアップ助成金なるもの。

非正規雇用者を正規雇用者に転換するということで、東京では一人当たり50万円から60万円もの「助成金」が国から支給される。ええ、返す必要の無いお金です。

もちろん、会社に支給されるんです。

 

よく、アルバイトだとか、パートさんという名目で各種統計には、正社員以外の表記が色々と紹介されますが、

雇用保険管轄においては、「有期雇用」か「無期雇用」かが大事で、次に、週の労働時間。こういう分類しか、基本的にはありません。

勝手な自分の理解では、正社員と呼ばれる雇用関係は「無期雇用」で、それ以外は、どんな呼称を使用したとしても、有期雇用関係ということで。

有期雇用というのは、その名の通り、「更新」が必要な契約で、もちろん儀式なく自然延長もあるのが普通で、大手などは、2カ月の雇用契約を結びながら、1カ月以上開けて再度有期契約を結ぶことで、社会保険雇用保険から逃れているケースもある。

 

さて、この助成金は、キャリアアップという名がついているが、簡単なのは正規雇用転換といわれるもので、有期雇用から無期雇用への転換ということになる。

ここでは多くを申し上げないが、無期雇用となると、この日本では「正社員」ということになり、様々な感覚的な「制約」が会社にのしかかる。

感覚的なというのは、すでに厳密には、日本では、正社員であろうがなかろうが、労働者の地位と立場は相当に守られているわけで、あえていうと、社会保険やらの「法定福利」を労使双方で「負担」するのか、したくないのか程度。

それでも、健康保険やら年金の「くくり」を最近では、「保険税」「年金税」と呼んで徴収必然を正当化しているし、「みんなのためです」とアナウンスして「加入基準を入りやすくしました」ことになっているので、正社員との違いは、ボーナス?だけ?

 

さて、この助成金。人材育成というのは、OFFJT。要は、しかるべき機関において、研修をうけさせ、さらにOJT、現場で研修アンド業務をさせて、その時間数分の助成が出るよ。という制度でして、1名あたり、60万円くらい理論的には出る。

 

詳細は、上記WEBで読んでね。

 

①人材育成コースの難易度は相当高い

コースがあって、OFFJTという研修を6日間、もしくは9日間。さらにOJTとして48日間か81日間。平均コースで合計約400時間。MAXで合計約630時間。

どお?イメージできます?なんのことか。

1日8時間勤務として、その81日間、OJTとして研修させながら業務をさせる。

OFFJTの研修は、そういう機関に放り込めばいいわけなんで、会社的には研修費の負担をすればいいわけなんで、イメージしやすいんだけど、

自社内で行うOJT。約380時間。これどうすんの?

 

②労働局でキャリアコンサルと面談

対象労働者が最初に通る関門が、このキャリアコンサルとの面談だ。

初手に「ジョブカード」という履歴書みたいな書類に色々と書かされるわけだが、これをもとに、キャリアコンサルという「資格をもった一般人」が、ねちねちと、本当にこの研修が、あなたのためになるのか。過去の履歴に基づいて、覚悟と、「本当にここの労働者」かをジャッジする。ここ大事ね。

 

③研修開始

最初は、楽なイメージだった。

研修機関も相応のレベルのところだったし、まぁ、こういう研修もあってもいいかな、会社らしいシステムかも、なんて労働者もいい気分転換にもなろうかと。

ところが、こっからが地獄だった。

約380時間もの「社内研修」。日々のレポートが必要なわけで、当初の説明では、難易度は高くなく、当然、こういうのを専門に行う「委託会社」に丸投げしていたんで、高をくくっていたんだが、

日に日に状況が「苦しく」なってきた。

 

OJT実施状況報告書の作成

当初は委託先のフォーマットがあって、それに順じて日々の作業報告を埋めていく感じだったが、1日8時間。

「今日はこういう研修を受けました。大変勉強になりました」

なんて報告が、次第に通らなくなった。

マネジメント研修。対人業務研修という2本立てで計画を「立てて」いたんで、

「マネジメント研修」では、こういう研修を行って、

その研修では、こういう指導を受けて、さらにそこで学んだことでの感想と反省はこうで、など、より具体的に踏み込んだ報告を書かされることになっていった。

当たり前だが、こちらは約40日間のカリキュラムを事前に組んでいたんで、これを委託会社の説明を鵜吞みにして丸投げした会社は、ほぼほぼ死亡したんではなかろうか?

 

⑤なんだこれ

やり始めてからなんと1年半!ようやく審査が終了。振り込みされました。

すげぇ、長期間。とっくに忘れていました。

簡単にいうと、行政にしても会社にしても、相当手間がかかる制度で、

特にこの制度は、大手のそれなりに教師役を務める担当官含め、「余裕あるリソース」があろう企業でしかできない。

べたで労働者にはりついて、マンツーマンが前提の研修をなんだかんだで2か月間やりおおせる中小企業があるのかって話。現在では、研修者も担当官も、それぞれ「自筆」での作業報告が必要になるので、相当の作業レベルになる。

 

労使に、相当に負担を強いて、その評価ができようもないキャリアコンサルなる一般人が審査するなんて、いかにも「なんかいい感じでシステム」作ってみましたという、いつもの行政の御発想で面白いんだが、

正社員の数を増やす方策としては、正規雇用転換で、どばっとお金をばらまく制度に集中するのも理解できる。が、この手間暇が「鬼のようにかかる」人材育成も、よかれと思ってやったはいいけど、

大学入試において、センター試験マークシートにせず、全部論文やら自筆の穴埋めにしたら、どんだけ採点に時間も金もかかるんだと、同じ話で、

あとからあとから、どんどん審査の内容を変えては、「不正防止」に走るのは、いかにも「制度ミス」といっても過言ではない。やるんだったっら変えるな。

こちらの負担も考えて、できる内容もあれば、難しいならやらないという判断を、やっている最中に迫られるのはいかにも辛い。でも、みんな頑張りました。やりおおせましたよ。忘れていたけど。

今回は、長いけど、こういう話でした。ごめんなさい。